・空き家の固定資産税が6倍になる仕組み
・特定空き家と管理不全空き家の違い
・指定される具体的な条件チェックリスト
・放置すると10年でいくら損するかの試算
・6倍を回避する5つの対策

編集部
「相続した実家、しばらく空き家のままにしておこう…」そう考えていませんか?
実は空き家を放置すると、自治体から指定を受けて固定資産税が最大6倍に跳ね上がる可能性があります。年10万円だった税金が、突然60万円になるということです。
さらに2023年の法改正で、以前より早い段階で指定される仕組みができました。この記事では、6倍になる仕組みと指定条件、そして「放置し続けると10年でいくら損するか」の試算まで解説します。
⚠️ 本記事は一般的な情報提供を目的としています。空き家の具体的な取り扱いは自治体により異なるため、所在地の市区町村にご確認ください。
なぜ空き家の固定資産税が6倍になるのか
カギは「住宅用地の特例」という優遇制度です。住宅が建っている土地は、固定資産税が大幅に軽減されています。
| 区分 | 面積 | 軽減 |
|---|---|---|
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下の部分 | 評価額の6分の1 |
| 一般住宅用地 | 200㎡超の部分 | 評価額の3分の1 |
空き家が「特定空き家」「管理不全空き家」に指定されると、この特例が解除され、税額が元の水準(=6倍)に戻ります。つまり「増税」ではなく「優遇がなくなる」という仕組みです。
💡 実際の負担増は約4.2倍というケースも

編集部
特定空き家と管理不全空き家の違い
2023年の空家法改正で「管理不全空き家」が新設され、指定の入口が2段階になりました。
| 区分 | 状態 |
|---|---|
| 管理不全空き家 | 放置すれば特定空き家になるおそれがある状態 |
| 特定空き家 | 倒壊の危険・衛生上有害・著しく景観を損なう状態 |
重要なのは、「指定された時点」ではなく「勧告を受けた時点」で特例が解除される点。指定 → 助言・指導 → 勧告という段階を踏むため、途中で改善すれば増税は回避できます。
指定される条件チェックリスト
自分の実家が指定されるリスクがあるか、以下のチェックリストで確認してみましょう。当てはまる項目が多いほど注意が必要です。
□ 空き家リスク セルフチェック
☐ 屋根や外壁の一部が剥がれかけている
☐ 雑草が伸び放題で敷地が荒れている
☐ ゴミが放置され、悪臭や害虫が発生している
☐ 建物が傾いている・倒壊のおそれがある
☐ 立木の枝が道路や隣地にはみ出している
☐ 年に数回しか様子を見に行っていない
※上位4項目は「管理不全空き家」、5〜6項目は「特定空き家」に近い状態です。判断基準は自治体ごとに異なります。
放置すると10年でいくら損するか
「使う予定がないから、とりあえず持っておこう」という判断が、実は最も高くつくことがあります。空き家を保有し続けた場合の10年間のコストを試算してみましょう。
| 項目 | 年間 | 10年間 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 約10万円 | 約100万円 |
| 空き家管理費 | 約6〜12万円 | 約60〜120万円 |
| 火災保険料 | 約2〜5万円 | 約20〜50万円 |
| 合計 | 約18〜27万円 | 約180〜270万円 |
これに加えて、もし勧告を受けて固定資産税が6倍になれば、コストはさらに膨らみます。しかも建物は年々劣化し、資産価値も下がり続けるため、「持っているだけで資産が目減りする」状態になります。
6倍を回避する5つの対策
最も確実な解決策。所有しなければ税金も管理責任も発生しません。相続空き家なら3,000万円特別控除が使える可能性もあります。
人が住めば管理不全にはなりません。立地に賃貸需要があれば収益化も期待できますが、修繕費や管理コストの試算は必須です。
年に数回の通風・清掃・草刈りで管理不全は避けられます。遠方なら空き家管理サービス(月5,000〜1万円)の利用も選択肢です。
特定空き家のリスクはゼロになりますが、更地にすると住宅用地の特例が外れ、結局固定資産税は上がります。売却前提でなければ慎重に。
解体費用やリフォーム費用の補助制度がある自治体も。「(市区町村名) 空き家 補助金」で検索して確認しましょう。
迷ったら、まず「売ったらいくらか」を知る
売る・貸す・管理するのどれを選ぶにしても、判断の起点は「今売ったらいくらになるか」です。保有コストと売却価格を比べれば、持ち続けるべきか手放すべきかが数字で見えてきます。無料の一括査定で相場を把握してから考えましょう。
共有持分・借地権・空き家も買取できます
一般の不動産会社では売りにくい「訳あり物件」も、専門の買取業者なら現金化できる可能性があります。まずは無料査定を。
※無料査定・訳あり物件専門
![]()
放置し続けた場合のリスク
勧告を無視し続けると、以下の段階へ進みます。
- 助言・指導:改善のお願い
- 勧告:住宅用地特例の解除(税額アップ)
- 命令:従わないと50万円以下の過料
- 行政代執行:自治体が強制的に解体
⚠️ 行政代執行の解体費用は全額請求される
自治体が代わりに解体しても費用は所有者負担です。100〜200万円以上の請求が来て、支払わなければ財産差押えの対象になります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 相続登記をしていない空き家も対象になる?
なります。登記名義が亡くなった親のままでも、相続人が管理責任を負います。2024年から相続登記も義務化されているため、早めの手続きが必要です。
・相続登記の義務化はいつから始まったか ・登記を放置するとどうなるかの段階リスク ・相続登記の期限と過料の条件 ・自分でやるか専門家に頼むかの判断基準 ・相続登記の手続きの流れと必要書類 相続不動産 編集部 上記を[…]
Q2. 年に数回帰省していれば空き家ではない?
年間を通して使用実態がなければ空き家と判断される可能性があります。ただし適切に管理されていれば、管理不全空き家に指定されることは通常ありません。
Q3. 指定されたら必ず税金が上がる?
指定=即増税ではありません。「勧告」の段階で特例が解除されます。助言・指導の段階で改善すれば増税は回避できます。
Q4. すでに勧告を受けてしまったら?
改善して勧告が撤回されれば、翌年度から特例が復活します。まずは自治体の担当課に相談し、改善計画を示すことが第一歩です。
空き家の固定資産税|まとめ
📌 この記事のまとめ
- 空き家の放置で住宅用地の特例が解除され固定資産税が最大6倍に
- 2023年改正で管理不全空き家が新設され指定の入口が広がった
- 特例が外れるのは指定時ではなく「勧告」を受けた時点
- 保有し続けると10年で180〜270万円のコストが発生
- 回避策は売却・賃貸・管理・解体・補助金の5つ
- 迷ったらまず売却査定で相場を把握する
空き家は「持っているだけでコストが増え続ける資産」です。使う予定がないなら、売却か賃貸で早めに手放す判断が、結果的に最も損の少ない選択になります。まずは今の売却相場を知ることから始めましょう。
今回も最後までご覧いただきありがとうございました🙇♀️
▼ 参照リンク(一次情報)
📍 合わせて読みたい
・相続した実家を売却する7つのステップ ・売却前に必ずやるべき相続登記の手続き ・売却時にかかる税金と諸費用の目安 ・相続後3年以内に売ると使える節税特例 ・売却で損する人・得する人の分かれ道 相続不動産 編集部 […]
・遺品整理の間取り別費用相場(一覧表) ・料金の内訳と「高くなる条件」の見分け方 ・見積書のどこをチェックすべきか ・悪徳業者を避ける5つのチェックポイント ・費用を安く抑える7つのコツ 相続不動産 編集部 上記を[…]
・遠方の実家相続で発生する3つの負担 ・帰省せずに進められる相続登記の方法 ・現地に行かずに使える管理・整理サービス ・遠方の実家を売却する具体的な手順 ・放置し続けた場合に起こること 相続不動産 編集部 上記をま[…]
免責事項
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的・税務的助言に代わるものではありません。空き家の判定基準や補助金制度は自治体により異なります。個別の事案については、所在地の市区町村または専門家にご相談ください。



